機械保全技能士1級【電気系】学科試験は過去問そのものが出る?2025年度受験者が感じたこと

機械保全技能士1級【電気系】学科試験は過去問そのものが出る?2025年度受験者が感じたこと

カテゴリ: 資格・ライセンス
タグ: 勉強法 過去問分析

はじめに

私は2025年度の機械保全技能士1級(電気系)を受験しました。

学科試験対策として取り組んだのは、公式サイトで公開されていた過去問題です。手元には2022年度分の記録も残っており、協会公式サイトの過去問ページで公開されている2023〜2025年度分と合わせて、4年分・200問を実際に1問ずつ突き合わせてみました。

勉強を始めた当初の目的は、次の3点でした。

  • 出題傾向を把握する
  • 問題形式に慣れる
  • 苦手分野を見つける

機械保全技能士1級は出題範囲が広く、保全管理・TPM・品質管理・安全衛生・電気理論・電動機・PLC・電気設備・油圧・軸受など、幅広い知識が要求されます。そのため「まず過去問を解いて全体像を掴もう」と考えました。

しかし、過去問を解き進めるうちに、想定を超えることに気づきました。

私が予想していたのは「同じテーマが出る」ことでした。ところが実際には、**「問題文まで同じ問題が出ている」**ケースが多数あったのです。実際に4年分を集計してみたところ、その印象は数字としても裏付けられました。


結論:過去問4年分・200問を集計したら、92%が「何らかの形で重複」していた

学科試験対策で最初にやるべきことは、公開されている過去問を徹底的に解くことです。参考書を読み込む前でも構いません。

2022〜2025年度の4年分(合計200問)を1問ずつ突き合わせたところ、何らかの形で前年以前の問題と内容が重なっていた設問は、1年あたり平均で50問中46問、**実に92%**にのぼりました。

内訳を3段階で分類すると、次のようになります。

分類定義比率
完全一致選択肢の内容・並びがほぼそのまま34%
準一致選択肢の一部を使い回し、並び替え・数値変更あり50%
テーマ一致のみ分野は同じだが問題文・選択肢は別物8%
関連なし過去問との重なりなし8%

完全一致・準一致を合わせると**84%**です。「類題が出る」というレベルを超えて、「同じ選択肢のプールから問題が組み立てられている」という感触は、実際に数えてみることで裏付けが取れました。


学科試験の過去問を解いて一番驚いたこと

「類題」ではなく「同じ問題」があった

資格試験では、同じ分野が出る・よく似た問題が出ることは珍しくありません。私も最初はそう思っていました。

ところが機械保全技能士1級(電気系)の学科試験では、問題文・問題番号・選択肢まで一致している問題が実際にありました。

最も驚いたのはDC/DCコンバータの問題です。私の手元にある2022年度の記録と、2023年度の公式PDFを見比べたところ、両年とも第35問として出題され、「直流電源回路におけるDC/DCコンバータに関する記述のうち、適切でないものはどれか」という問題文、そして選択肢の内容までほぼ一致していました。正解の軸になっていたのは「リニアレギュレータはノイズがほとんど発生しない」という記述で、この論点は2022〜2023年度の2年連続で共通していました。

問題番号も、問題文も、選択肢も同じ。正直、「ここまでそのまま再出題されるのか」と驚きました。

この時点で、過去問は傾向確認のための資料ではなく、そのまま教材になると感じました。


4年分の集計で見えてきた具体例

4年連続で選択肢が同じだった設問

最も象徴的だったのが、最終問(第50問)の電気用図記号を問う設問です。2022〜2025年度の4年連続で、選択肢として使われている記述内容自体はほぼ同じでした。年度によって変わるのはア〜エの並び順だけで、内容そのものは4年間ほぼ固定されています。

問題文が一致していても、選択肢の並び順が変わっているだけのケースは「位置で覚える」勉強法が通用しません。中身を理解して初めて対応できるという意味で、これは完全一致に含めつつも、丸暗記では対応しきれないタイプの再出題として注意が必要です。

出題形式は同じでも中身が入れ替わるケース

サイリスタに関する設問は、2022年度・2023年度は選択肢の順序変更のみでほぼ同一でしたが、2024・2025年度になると出題形式(「適切なものはどれか」という聞き方)は維持しつつ、記述内容そのものが入れ替わっていました。同じテーマが継続して出題されているものの、年度が進むにつれて丸暗記が効きにくくなる方向に変化している例です。

選択肢プールの使い回しが顕著な分野

軸受・油圧機器の設問は、4年間を通してほぼ同じ4〜6個の記述文のプールから、その年ごとに4つを選んで並べる形式になっていました。個々の記述文自体は、複数年で一言一句同じものが繰り返し使われています。


2025年度を受験して感じたこと

私は過去問で勉強し、2025年度を受験しました。その結果、過去問で頻出だったテーマは、やはり2025年度でも出題されていました(2025年度の問題は公式サイトで確認できます)。

もちろん問題がそのまま出るわけではありません。しかし、出題分野・問われる知識・問題構成は非常によく似ています。


過去問を解いて見えてきた頻出テーマ

誘導電動機

電気系で最も重要なテーマの一つです。種類・速度制御方式・始動方式は4年間を通じて繰り返し問われています。実際の設備保全業務でもよく出てくるテーマなので、実務上の納得感もあります。

サイリスタ

4年間継続して出題されています。ゲート制御・pnpn構造・ブレークダウン電圧といった論点は選択肢の表現まで似ているものが多く、重点学習すべきテーマだと感じました。

電気電子分野に慣れていない人は苦手意識を持ちやすいですが、出題頻度を考えると避けて通れません。

tanδ試験・絶縁診断

4年間すべての年度で出題されています。tanδ試験・絶縁抵抗・劣化診断は何度も登場するテーマです。

普段高圧設備を扱わない人には馴染みが薄いかもしれません。私自身も最初は苦手でしたが、頻出であることを知ってからは重点的に勉強しました。

PLC

2024年度と2025年度では、シンク入力・ソース入力・シンク出力・ソース出力が出題されています。普段PLCを扱っている人にとっては、比較的解きやすく得点源になりやすい分野です。

光ファイバ

私の手元の2022年度記録と2023年度の公式問題を見比べると、問題文・選択肢のレベルで内容が一致していました。単純にテーマが同じというだけでなく、再出題率の高さを感じたテーマです。

ねじ・軸受・油圧

後半問題の定番です。4年間を通して継続して出題されており、電気系受験者であっても、ここは実は得点源になります。難しい計算は少なく、基本知識を覚えていれば対応できるため、コストパフォーマンスの高い分野だと感じました。


問題番号までパターン化されている

過去問を繰り返していると、「次はこの分野かな」と予想できるようになります。4年分を比較して見えてきた大まかな傾向は次の通りです。

問題番号帯主な内容
1〜25問保全管理・品質管理・安全衛生
26〜35問電動機・電子回路
36〜45問診断・測定・電気設備
46〜49問ねじ・軸受・油圧
50問電気用図記号

もちろん年度による違いはありますが、「この辺りで軸受かな」「次は油圧かな」と予想できるレベルでパターンが見えてきます。


私が実際に行った学科試験対策

まず過去問4年分を解く

最初から参考書を読み込むのではなく、まず問題を解きました。点数は気にせず、分からない問題があっても最後まで解き切ります。その方が頻出テーマや自分の弱点が見えやすいからです。

間違えた問題を中心に復習する

すべてを覚えようとはせず、誘導電動機・サイリスタ・tanδ試験・光ファイバなど頻出分野を優先しました。ノートを新しく作るのではなく、間違えた問題に印をつけて2周目以降はそこだけ復習する方法が効率的でした。

同じ問題が出たら必ず覚える

DC/DCコンバータ問題のように、実際に再出題されている問題があります。同じ問題を見つけたら重点的に復習しました。

選択肢の「並び替え」に注意する

今回集計してみて気づいたのは、選択肢の中身自体は使い回されていても、正解の位置(ア〜エ)が年度ごとにシャッフルされているケースが多いことです。「アが正解」という位置の暗記ではなく、選択肢の内容そのものを理解しておくことが、結果的に一番の近道でした。

計算問題は解き方を覚える

計算問題は暗記では対応できませんが、毎年同じような形式の計算が出ます。答えそのものより、解法を理解することを重視しました。


実技試験は別物

この記事は学科試験の話です。学科試験は、過去問の重要度が非常に高いと感じました。

一方で実技試験は別です。配線、測定、作業手順などは実際に手を動かして練習するしかありません。

私の感覚では、次のように分けて考えるのが良いと思います。

  • 学科試験 → 過去問中心
  • 実技試験 → 練習あるのみ

まとめ

私は2025年度の機械保全技能士1級(電気系)を受験するにあたり、過去問4年分・200問を実際に集計しながら学習しました。

その結果、何らかの形で過去問と重なっていた設問は92%、選択肢の内容・並びがほぼそのままの完全一致だけでも**34%**にのぼりました。「類題が出る」という漠然とした印象ではなく、実際に数えてみることでその実態がはっきり見えました。

また、誘導電動機・サイリスタ・tanδ試験・PLC・光ファイバ・軸受・油圧などは毎年のように出題されています。

私自身の経験から言えば、学科試験対策で最初にやるべきことは、公開されている過去問を徹底的に解くことです。 過去問数年分を集計するだけでも、出題者が何を重視しているのかは十分見えてくると思います。


本記事で触れた2023〜2025年度の過去問題は、日本プラントメンテナンス協会 公式サイト「過去の試験問題」で公開されている情報を参考にしています。2022年度分は執筆時点で公式サイトの公開範囲から外れているため、筆者が受験当時に保存した記録に基づいています。実際の問題文・図版は公式サイトでご確認ください(協会の定めにより、試験問題の無断複製・二次使用は禁止されています)。


tkappy

WRITTEN BY

TKappy

関西在住の生産技術エンジニア。PLCプログラミング、産業技術、ガジェットの知見を「TECH & ROOTS」として発信しています。詳しく見る

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