電験三種【機械】合格のための頻出パターン分析!直近6回の過去問から傾向と対策を徹底解説

電験三種【機械】合格のための頻出パターン分析!直近6回の過去問から傾向と対策を徹底解説

カテゴリ: 資格・ライセンス
タグ: 勉強法 過去問分析 電験三種

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「機械が一番難しい」

電験三種の4科目の中で、受験生が最も苦手意識を持つのが機械科目です。範囲が広すぎて、どこから手をつけていいかわからない——そう感じている方は多いと思います。

私自身もそうでした。直流機・誘導機・同期機・変圧器・パワーエレクトロニクス・照明・電熱・自動制御・論理回路と、9つもの分野が詰め込まれています。

ただ、電気技術者試験センターが公開している令和5年度〜令和7年度の直近6回分の機械科目を実際に分析してみると、出題の構造はかなり規則的であることがわかりました。

補足: 電験三種がCBT方式・年2回実施となったのは令和5年度からです。今回の分析は最新の令和7年度下期(2026年3月実施)までの6回分を対象としています。

この記事では、その分析結果をもとに 「何を、どの順番で、どこまでやるか」 を具体的に解説します。


📖 この記事の使い方 最初から通読するより、苦手なパターンだけ開いて公式・注意点を確認する辞書的な使い方が合っています。試験前日の最終確認にも活用してください。ある程度学習が進んだ方を想定しているため、各公式の導出は省略しています。


機械科目の「構造」を先に理解する

理論との決定的な違い

まず、理論と機械の違いを理解することが重要です。理論はほぼ全問が計算問題ですが、機械は 「知識問題」と「計算問題」が混在しています。直近6回の分析では、A問題14問のうち約半数は穴埋め形式の知識問題でした。

問番号主なテーマ出題形式
問1直流機(構造・特性・知識)📖 知識
問2直流電動機の計算🧮 計算
問3誘導機(原理・速度制御・知識)📖 知識
問4誘導電動機の計算🧮 計算
問5〜6同期機(発電機・電動機)📖 知識+🧮 計算
問7電気機器の共通知識・損失📖 知識
問8〜9変圧器📖 知識+🧮 計算
問10パワーエレクトロニクス📖 知識+🧮 計算
問11電動機応用(減速機・巻上機)🧮 計算
問12電熱・照明🧮 計算
問13自動制御📖 知識+🧮 計算
問14論理回路・情報処理📖 知識
B問題問15誘導機または変圧器・同期機🧮 計算(10点)
B問題問16チョッパ・インバータ・整流🧮 計算(10点)

類似問題の再出題率が高い

直近6回の分析で、同じ計算パターンが繰り返し出題されていることがわかりました。特に直流電動機の回転数計算(問2)や降圧チョッパの計算(B問題)は、数値を変えただけの類似問題が非常に高い頻度で再登場します。過去問を制する者が機械科目を制すると言っても過言ではありません。


出題頻度ランキング(直近6回分析)

テーマ6回中形式優先度
直流機6/6回📖🧮🔴最優先
誘導電動機6/6回📖🧮🔴最優先
変圧器6/6回📖🧮🔴最優先
チョッパ・インバータ6/6回🧮🔴最優先
電動機応用(減速機・巻上機)6/6回🧮🔴最優先
同期機6/6回📖🧮🟠高優先
自動制御6/6回📖🟠高優先
論理回路・情報処理6/6回📖🟡中優先

最重要パターン①:直流電動機の計算【問2に毎回登場】

問2には毎回、直流電動機の回転数・効率・電機子抵抗を求める計算問題が出題されます。「磁束一定」という条件がある場合とない場合で式の使い方が変わるため、条件の読み取りが得点の分かれ目になります。

使う公式

  • 電機子の誘導起電力:$E = V - I_a \times R_a$
  • 回転数と起電力の関係:$E \propto n$ (磁束一定のとき $\frac{n_2}{n_1} = \frac{E_2}{E_1}$)
  • 電磁電力(変換電力):$P = E \times I_a$
  • 効率(基本形):$\eta = \frac{P_{out}}{P_{in}}$
記号意味単位
$E$電機子の誘導起電力V
$V$端子電圧V
$I_a$電機子電流A
$R_a$電機子抵抗Ω
$n$回転速度min⁻¹(rpm)
$P$電磁電力W
$\eta$効率

Technical Note $EI_a$ は電機子で発生する電磁電力です。試験問題で「機械損・鉄損を無視する」という条件がある場合、これがそのまま「軸出力(機械出力)」となります。摩擦損などの指定がある場合は差し引く必要があるため、問題文の損失条件を必ず確認しましょう。


最重要パターン②:誘導電動機の滑り・トルク計算【問4・B問題問15】

B問題問15に毎回登場し、(a)(b)2問で10点を占める最重要テーマです。$P_2$・$P_{c2}$・$P_m$ の3つを「入力→損失→出力」の流れで整理すると、式の使い分けに迷わなくなります。

使う公式

  • 同期速度:$N_s = \frac{120f}{p}$
  • 滑り:$s = \frac{N_s - N}{N_s}$
  • 二次銅損:$P_{c2} = s \times P_2$
  • 機械出力:$P_m = (1-s) \times P_2$
  • トルク:$T = \frac{P_2}{\omega_s} = P_2 \times \frac{p}{4\pi f}$
記号意味単位
$N_s$同期速度min⁻¹(rpm)
$N$回転速度min⁻¹(rpm)
$f$電源周波数Hz
$p$極数
$s$滑り
$P_2$二次入力(空隙電力)W
$P_{c2}$二次銅損W
$P_m$機械出力W
$T$トルクN·m
$\omega_s$同期角速度($= \frac{4\pi f}{p}$)rad/s

Physical Definition ここで使う $P_2$ は二次入力(空隙電力) です。これを出力と混同すると理論が破綻するため、公式適用の際は「今扱っているのは入力か出力か」を常に意識しましょう。


最重要パターン③:変圧器の効率・短絡試験【問9・B問題問15】

効率の計算と、短絡試験から定数を導く問題がセットで出題されます。効率の式は記号が多く見えますが、「分子=出力、分母=出力+損失」という構造を押さえれば式の形は迷いません。

使う公式

  • 変圧器の効率:$\eta = \frac{m \cdot S \cdot \cos\theta}{m \cdot S \cdot \cos\theta + P_i + m^2 \cdot P_c}$
  • 最大効率条件:鉄損 $P_i$ = 銅損 $m^2 P_c$
  • 短絡試験:$Z_{eq} = \frac{V_{sc}}{I_{sc}}$, $R_{eq} = \frac{P_{sc}}{I_{sc}^2}$
記号意味単位
$\eta$効率
$m$負荷率(全負荷時を1とする)
$S$定格容量V·A
$\cos\theta$力率
$P_i$鉄損(無負荷損)W
$P_c$全負荷銅損W
$Z_{eq}$等価インピーダンスΩ
$R_{eq}$等価抵抗Ω
$V_{sc}$短絡試験時の印加電圧V
$I_{sc}$短絡試験時の電流A
$P_{sc}$短絡試験時の入力電力W

最重要パターン④:降圧チョッパ・インバータ【B問題問16】

B問題問16は、近年パワーエレクトロニクスが固定枠となっています。「通流率 $d$ が変わると出力電圧がどう変わるか」を問う問題が最多です。

使う公式(理想回路・抵抗負荷・電流連続モード時)

  • 降圧チョッパの平均出力電圧:$V_{out} = d \times E$
  • 平均電流:$I = \frac{V_{out}}{R}$
記号意味単位
$V_{out}$平均出力電圧V
$d$通流率(オン時間/周期、$0 \leq d \leq 1$)
$E$直流電源電圧V
$I$平均電流A
$R$負荷抵抗Ω

Point IGBTやダイオードの電圧降下を無視できる「理想条件下」での式です。実務的な計算ではこれに損失分が加わりますが、電験三種のA/B問題ではこの基本形がベースになります。


最重要パターン⑤:電動機応用(減速機・巻上機)【問11】

計算パターンがほぼ固定されている、絶対に落とせないサービス問題です。「どこが入力でどこが出力か」を図でイメージしながら式を当てはめると計算ミスが激減します。

使う公式

  • 減速比:$i = \frac{n_m}{n_L}$
  • 出力トルク:$T_L = T_m \times i \times \eta$
  • 必要な機械出力(理想式):$P_m = m \cdot g \cdot v$
記号意味単位
$i$減速比
$n_m$電動機側(入力)回転速度min⁻¹(rpm)
$n_L$負荷側(出力)回転速度min⁻¹(rpm)
$T_m$電動機トルクN·m
$T_L$負荷側トルクN·m
$\eta$機械効率
$P_m$必要な機械出力W
$m$質量kg
$g$重力加速度($= 9.8$)m/s²
$v$巻上速度m/s

Technical Note $P_m = mgv$ は効率を無視した理想的な仕事率です。実際の問題では電動機の出力 $P_e$ に対し、機械系の効率 $\eta$ を考慮して $P_m = P_e \times \eta$ となる関係を多用します。


合格戦略:計算問題から逃げないことが最短ルート

機械科目を前にして、「範囲が広すぎる」と絶望する必要はありません。

実際のデータを見ると、主要な5分野だけで配点の約40点分が「計算パターン」として固定されています。 知識問題は「見たことがない用語」が出るリスクがありますが、計算問題は手を動かした分だけ確実に得点源になります。

「計算問題を確実に取り、知識問題は基礎だけ抑える」という逆転の発想で、一気に合格ラインの60点を引き寄せましょう。

理論・電力・法規の傾向分析もあわせてどうぞ。


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※ この記事は試験センター公式サイト(https://www.shiken.or.jp)で公開されている過去問PDFをもとに作成しています。出題傾向は今後変わる可能性があります。


みんなが欲しかった! 電験三種 機械の教科書&問題集 第3版

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tkappy

WRITTEN BY

TKappy

関西在住の生産技術エンジニア。PLCプログラミング、産業技術、ガジェットの知見を「TECH & ROOTS」として発信しています。詳しく見る

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